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そう思ってる矢先に先輩の前髪に、何かの拍子で雨粒が落ちてきた。
「わっ!? つめたっ」
肩を竦めた途端に髪の上からぴょんと跳ねて、頬の上に流れ落ちる。迷うことなくそれに手を伸ばし、親指で拭ってあげた。
しっとりとして柔らかい西園寺先輩の頬に触れ、身体がカァッと熱くなる。
「学年代表、どうした?」
頬に触れた手をそのままに、固まってしまった俺を見上げ、小首を傾げる先輩に、ゆっくりと顔を近づけたときだった。
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