第一章 この時代での男の生き方

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5 ははっ、ははは!! なんだなんだ、こんなにツイてていいのか? 世界ってやつは俺を中心に回ってやがったのかよ! いやー地元じゃこの世の鉄則も知らない小一んときにクラスのボスのスカートめくっちまって悲惨なもんだったが、その分の不運の代わりがこれってんなら破格すぎだろっ。 大体地元ではあいつがいたからな。奴らにぶち殺されるのは避けることができていた。 ……しかし、今考えるとなんつーことやってんだよって話だよな。女のスカートめくるとか自殺行為以外の何物でもねえぞ。 いや、ほんと、あいつがいてよかった。まぁ地元はドのつく田舎だったからか、あいつクラスの魔法使いでも抑止力になったんだよな。 あいつが『魔女』になれるほどの才能あれば無理して都会に出てこなくてもよかったんだが……。 「あーくそ。時代に犯されてんなあ」 命の恩人を利用しようとするとか馬鹿か俺は。確かに俺は女の庇護下に収まろうとするクソ野郎だが、受けた恩を仇で返すのは駄目だろ。そんなの魔法使いどもと種類が違うクソ野郎じゃねえか。 いや、まあ、だから他の女を利用しようとしている時点でクソ野郎ではあるんだが。 「あーやめやめっ。今は宇佐川雪音に取り入るのが先だ。自己嫌悪でせっかくのチャンスを潰してたまるか!」 大事なのは『一番初めに彼女の秘密を知った』ということだ。 何事も最初ってのは重要な意味を持つ。二番手、三番手はどうしても目劣りしてしまうものだ。 だから今大事なのは速度だ。 迅速に宇佐川雪音と接触し、彼女の味方という立ち位置に収まってやる!! と、意気込んだのはいいが、休み時間を使っても宇佐川雪音を見つけることはできなかった。 結局昼休みになった。 できればそろそろ接触したいんだが、あいつどこにいるんだ?
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