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つまり、つまりだ。
現在世界は女を中心に回っている。『魔女』という魔法使いの中でもトップクラスの怪物に授けられる称号があれば人を殺したって無罪放免になるほどに。この辺の特権も昔のサムライとかいうのと酷似しているわけだ。あれだ、時代は繰り返すってやつだ。
だったら話は早い。
学生の時から才能ある連中を軒並み骨抜きにすればいい。そうやって口説いた従順な女が『魔女』になれば、二重の意味で甘い汁を吸い放題ってわけだ。
そのためにわざわざ地元を離れ、こうして都会の学校に通っているのだ。確かこの学校には強いのが集まってるって話だったからな。ひとまずクラスの女を落として、順番に攻略、最後には最強を手中にすりゃ将来は安泰。俗に言うヒモってやつかもしれねえが、いつ魔法で吹っ飛ばされるかビクビクしながら生活するよりはマシだ。
「人の将来はガキん時にどんだけ積み上げているかにかかっている。将来大成功するには今『魔女』になれるほどの女を手に入れる必要があるんだ」
こんなところで終わらない。
男というだけで顎で使われるような端役で人生を終えるなど真っ平ごめんだ。
俺は世界を手にする。
国連があった頃にはあり得ないようなそれを今の時代なら果たすことができる。
人生をかけた大博打。
こちらの意図がバレれば、それこそ死ぬよりも酷い目にあるのが確定したハイリスクハイリターンの大勝負。
だが、リスクに怯えれば待っているのはクソみたいな人生しかない。ここで躊躇すればするだけ惨めな思いをするだけだ。
「やってやる」
言い聞かせる。
自己の目標を見据える。
六十でも七十でも続く人生をバラ色にするため、使えるものはなんでも利用する決意を固める。
さぁ、いっちょ世界でも手に入れますか。
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