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四階の空き教室。
そこに『玄武』の幹部勢が集結していた。
「魔法を打ち消す力に浮遊の魔法を使う女か。姫川め、孤高を気取ってたと思えばちゃっかり特大の才覚を手に入れやがって」
その、玉座に君臨する者。
肘掛けに肘をつき、軽く握った拳を頬に当てているのは『玄武』の頂点・東雲幻水。
黒と赤の長髪。
深い青のマント。
その顔には隠しようもない憤りが浮かんでいた。それだけで幹部勢の全身に緊張が走る。下手すれば幹部ともいえど『握り潰される』。
そこでヒールと黒スーツの幹部が口を開いた。
「一つ、よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「私は一度彼らと接触しましたが、それほど強大な力があるようには見えませんでした」
「隠しているって話だったはずだぞ。それに宇佐川雪音が浮遊の魔法を使えるのは確定しているのだろう?」
「確かに。ですので宇佐川雪音については『理由』がある、としていいでしょう。が、東城大和についてはどうでしょう? 男には魔法を打ち消す力がある、彼が初めてその力を開花させた。否定はできません。『初めて』と言われると完全に否定することはできません」
「俺様は回りくどいのは嫌いだ。さっさと結論を言え」
ズズ……!! と空間が震える。
ヒールに黒スーツの女はごくりと喉を鳴らす。恐怖を自覚した上で可能性を紡ぐ。挽回のチャンスを作る。
「あの男には魔法を打ち消す力などないのかもしれません」
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