第1章

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 いきなりだが、子どもを拾ってしまった。  この現代日本でそう頻繁に子どもを拾う事があるのか、甚だ疑問だ。  でも実際、自分の店の裏口で野良猫のように丸まって寝ていた、薄汚れた格好の子どもを捨て置く事なんて、出来る訳がなく。  人として正しい事をするまでだ、と自分に言い聞かせ。  その小さな子どもをそっと抱き上げた。  なんていうのが、もう3か月前。  その拾った子ども、漣(レン)はすくすくと育っている。  まず拾って、薄汚れていた漣を店のシャワールームに放り込んで分かった事。  漣は男の子だった、ちゃんと付くモノが付いてた。  あと、背格好からして年は大体小学校低学年くらい……7~8歳ほどだと思われる。  そして、子どもながらにして綺麗な容姿をしていた。  例えるならアレだ、ジ〇ニーズ系。  男らしいというよりは、中性的な印象の受ける顔立ちだ。  まぁ、だからといって特に対応が変わる訳でもないので、そのまま洗ってやったのだけど。  とりあえず、そんなこんなで漣は俺が養父となって育てることになった。
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