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少し間を空けて、顔とは似ても似つかぬ言葉が蛍の口から発せられた。
初めて彼の口からこの言葉を聞いた者はきっと驚くであろう。
けど、俺はもう慣れたので驚くことはない。
「あんがと!顔に似つかず子供舌の蛍くん☆」
驚きはしないけど面白いのでからかいます。
「黙れ」
背後にイラァッと効果音がついている幻覚が見えそうなほど、鬼の形相で睨みつけられた。
そんな言葉と表情とは裏腹に、俺の願い通りまた元いた場所に座り直してくれた蛍の優しさ(?)に免じてこれ以上からかうのはやめておく。
「…蛍ってさー」
おかずに箸を伸ばしながらいつものように唐突に、頭に浮かんだ言葉をそのまま口に出そうと呼び掛ける。
すると蛍がちらりとこちらに目を向けた。
上目遣いかよ…くそ
「可愛い、よな。すごく」
「……」
蛍は上目遣いでこちらを見たまま硬直している。
肉じゃがうめえ。
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