運命の人

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今日は、何かに引き寄せられたのだろう。 普段は、神頼みなんてしない私なのに、友達の彩夏が 「広美、まだ彼氏居ないんでしょ」 「◎○神社って、昔から霊山と信仰されてるとこに有るんだよ」 「だから、占い通りもあるんだって!」 「もう、私たち来年30よ」 「神頼みと、占いで見て貰いに行こうよ」 私は彩夏の勢いに負け、一緒に行くはめに。 今日は、1日。 朔日参りの人で、境内は人がいっぱい。 「やっぱり、みんな神頼みしたいのよ! 拝んでから、占いに行こ」 彩夏に急かされ、ちゃちゃっと拝んで、占い通りへと。 噂では聞いていたが、小さな占い屋さんが、通りの左右にびっしりと。 古めかしい建物で、どの店も木の引き戸。 磨りガラス越しに、占ってもらってる人が。 人気の占い師なのか、外で順番待ちしているお店も。 彩夏は、下調べしていたのか 「私、ここで見て貰うけど、広美も来る?」 そこには、順番待ちしている女性が3人も並んでる。 「私は、もうちょい探してみる」 「それに、時間掛かりそうだし」 私は、彩夏を置いてブラブラと占い通りを。 すると、他の店より一層古めかしいお店が。 木の看板が、下げられ 【赤糸屋】 その隣には、張り紙が 《当店は、占い師ではありません 勿論、結婚相談所でもありません でも、貴女の運命の人を見つける、手助けします》 一体、何屋さん?と磨りガラス越しに覗くと 扉がガラガラと開き、中からお婆さんが、ニマッと笑って 「お待ちしてましたよ、菊地 広美さん」 私は、びっくり。 何故、私の名前を? お婆さんは、お構い無しに私の手を引き 「立ち話も何ですから」 「その椅子に座って」 私は、古びた椅子に腰掛け 「何で、私の名前を知ってるんですか?」と お婆さんは、 「私はね、お客さん来る時は夢に出てくるのさ」 「勿論、貴女の悩み事も知ってるから だけど、私は占い師じゃ無いから、貴女の運命なんて分からない でも、手助けなら出来るけど」 「どうします?」 「赤い糸、買いますか?」 私は、余りの不思議な出来事に呆然 でも、このお婆さんなら何かしらしてくれるのでは? それに、赤糸屋って? 意を決して 「お願いします」と お婆さんは、 「貴女の手助けは、少々厄介だから一万円ね」 私は、財布から一万円をお婆さんに手渡した。
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