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「かなんわぁ」
赤提灯のオヤジの口調で例えるならこんな感じスか。
フラフラりと傾く身体を電車に押し込んで
私は家にやっと辿り着いた。
扉を開けると、雪崩に合う。
「わぁぁぁぁぁぁぁ!」
玄関に積み上げていた靴の箱が
ゴン、ゴン、と降ってきた。
「いったぁ」
痛い。
いたいよ、ワタシ。
ほんと、痛かった。
人生、痛かったよ。
「ふぇぇぇぇぇぇん」
うずくまったまま、流した涙は
たくさんたくさん流れた。
今まで溜めていた分を
全て清算するかのように、全部全部流し切るくらいに
泣き続けた。
「うわぁぁぁぁぁぁん」
泣いたらすっきりする。
そう思っていたはずなのに
次の日起きたら
身体中が痛かった。
頭も痛けりゃ
身体も痛い。
目は腫れぼったくて
「あ゛ーあ゛ー」
喉はガラガラ。
二日酔いの上
こんなところで眠ったから
身体はガチガチ。
「ざいあぐだ」
とりあえず、シャワーに入って
服を掴んで
家を出た。
会社に着いてから、これからの身の振り方を
考えよう。
なっがい長い、少し湿った前髪の下は
ほぼ開かない、腫れた目。
隠れてるから分かんないし。
徒歩圏内で良かった。
とりあえず、生きてて良かった。
全ての事をひっくるめて、大きく息を吐き出した。
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