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あ、あ、あ、あ、
なっがい長い前髪の下で開ききった目が
整って、凜とした顔を捉えよう、捉えようとして
「あ」
私、何しちゃってるんだろ。
これ、何しちゃったんだろ。
伸ばされた右手で掴んだのは
倉内翔のナイスなTシャツ。
今日の私のTシャツと比べてみると
アルマーニとしま○らの差くらいある。
ってそのまんまなんだけどもデスね?
「ご、ごごごごごごご、ごめんなさ」
「怨念」
「へ?」
「怨念つける気か?」
は?
つけませんし、そんなの。
「で、いつまで怨念つける気だよ」
「は!すみすみません」
慌てて離した掌を
ぎゅう、と握り締め
私は恥ずかしさのあまりへなへなとへたり込んだ。
「早く仕事しろよ」
「は、はぃ」
とにかくこりゃ、イケナイ。
仕事なんて倉内翔の隣でできそうもないス…
ぁぁ、と頭痛を散らすために眉間を揉む。
あぁ、ちょっとした休みが必要だよね、私。
だけど、有給なんて今取れないデスし…。
倉内翔があまりにも素敵すぎて私の右半身はプルプルと痺れる。
って、なんか昨日もおんなじ事を言ってたような気がする。
倉内翔はこの間の夜の事を
どう思っているんだろう…。
顔をあげたら、倉内翔の姿はなかった。
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