Round No.4

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「うぅん……」 ダルい身体はマシなのか そうじゃないのかさえも理解できないらしい。 身体のアッチコッチが痛かった。 トイレの洗面で歯磨きをして コンピューターの前に座ったのはもう19時を過ぎていた。 確か13時半には寝ていた筈だから約6時間くらいは 眠りこけていた事になる。 あぁ、ダルい。 明日行けば土曜日だし も少し頑張りますか! チームAのメンバーは誰もいなかった。 そりゃコンスタントに進んでいれば 残業なんてしなくてもいいんだ。 それに。 残る3人は優秀だし。 私は専ら足を絡めて転けるタイプっス、 あははは、と自虐笑い。 でも、レジシステム、苦手なんでスよねー、ホントに。 そして、倉内翔も苦手なんでス。 倉内翔は私のライバルだった。 何故かって? 私が入社した時、倉内翔は若手でも天才的だと 噂されていた。 私より入社がたった2年間早いだけなのに 処理能力は桁違い。 これが有名大学卒としがない短大卒の差…… 新入社員には研修終了時にコンテストが開かれている。 色んな部門があるんだけれど 例えば 一万文字早打ちとか エクセル計算、2分でどこまでとか 伝票処理部門とか 私はSE部門でエントリーをした。 お題は毎年ほぼ同じか同じ難易度か 「企業向けLAN構築」 途中まで組み込まれたシステムを解析して 最後までシステムを完成させる、というものなんだけど 今までの歴代最高タイムは6年前倉内翔が打ち立てた不動の5分26秒。 私は4年前、同タイムの5分26秒で1位タイをキープしている。 それ以来 私は勝手に倉内翔をライバル視してきた。 ことある毎になにかを比べ 競い そして、貶す。 まさかのオナAになって その機会はまっすます増えた。 だけど、肝心の倉内翔は私をイモ子と呼ぶやいなや ことある毎に抑圧し、制圧し 暴君ぶりをあからさまにする。
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