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たいてい
波が引くと穏やかな時間が訪れる筈なんだ。
興奮の波線をみてもそれは明らかで
スウ、と引いていく筈。
だけど
引かねぇ。
登って、昇りきっても
足りない。
落ち着かない。
そんな事を窓の外が白んでくるまで続けて
あ、と気付いた時には
何もかもがびしょびしょで。
だけど
ももこが……
「か、ける、くん……」
そう手を伸ばすから
抱き締めずには、いられないんだ。
「……可愛すぎ、ももこ」
きゅ、とまとわりついてくるももこに
入り込むオレの全てが
細胞ごと揺すられて、震える。
「ぜんぶ、すげぇ、欲し……」
置いてく事なんて出来ない。
放っておいたら大変な事になる。
どうすればいいのか。
「……な、もうちょっと、突き当たりまでいかせて」
オレは意識をほぼ失いかけているであろう
ももこに、小さく、小さく囁いた。
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