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隣でよく眠るももこを見て
心が安らぐ。
「ごめん、ヤりすぎた」
睡眠真っ只中の相手に言っても届かない。
もし、届いていたとしても
それは、夢現で終わってしまう。
なぜ、ヤりすぎたのかぐらい分かるだろ。
だいたい、ヤりすぎってなんだよ。
アラサーと呼ばれる世代。
もう後数年で30になろうとして
たかだか一人の女にこんなに入れ込むなんて
……ももこは、特別。
そう、特別なんだ。
‘イモ子’の時代も何かと気になる事が増え
チームAになってからはことごとく視界に飛び込んできた。
更にリアルツイッターのももこ。
何度引用リツイートしてやろうかと思った事か。
=ドルフィンだと知った日は、もう食事さえ喉を通らず
そのまま、翌日の休み半日を潰すくらいに寝入った。
ずっと
オレに蝕み続けてきたももこ。
気付いた時には抜け出せなかった。
「あの事務長と何があったんだ……」
ついこの間の出来事を聞けずにいる。
内田は、知っていると言っていたが
あえて聞かないし
内田も、あえて言わない。
聞きたい事を聞きながら
別れを惜しむのもいいな、と
ももこの分厚い前髪を横へかき流した。
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