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私の名前は小野 百々子(オノモモコ)。昔歴史で小野妹子(オノノイモコ)っていうまぁ、有名人習ったよね?
あの人と一字違いな訳。
だからだと思うんだ……
「おい、イモ子!」
私は振り返って見上げる。
そこには眩しい光を背負った輝かしいヒトが。
いつも、いつも目を細めてしまう、そのヒトは。
「か、かけ」
「人の名前噛んでんじゃねぇよ」
「ご、ごめんなさい、かけ、かくるくんっ」
バン!
「ふひぃぃぃぃ!」
かべ、かかかかかか、かべ、壁バン!?
「イモ子、テメェ、遅いんだよ
仕上がってんだろうな、勿論、ええっ?」
私の机の左側は壁になっておりまして
わたくし、今そこに追い詰められておりまして
ええ、そりゃもう、ああっどうし……
「聞いてんのか、ゴラ」
人生で初めての壁……バン!に心臓、走り出しちゃいましたぁぁぁぁぁ、って。
「出来てますです、はい」
右手でマウスをコントロールしながら出来立てのファイルを開いた。
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