第4話 カタメの世界

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「……俺は、何も、出来てなかったよ」 竹山は箸を止め、下を向いた。 「あべのハルカスの件、聞きましたか?」 事件の次の日、リリコと会った。 だが、知ったのは翌日、非番明けの県警で、桜田からだった。 「……立てこもりの件だろ。……確か、女子高生が被害者だったな」 「その女子高生と、梅林寺さん、連絡取ってるんですよ。捜査とは関係なく、話しを聞いてあげてるみたいです」 竹山は、知らなかった。 リリコは、守秘義務もあるだろうが、仕事に関しての話しはしない。 「……あいつ、松とは、よく喋るんだな」 「同僚ですし。監視役で、毎日、夕飯食べてましたからね。ちゃんと、他の約束も守ってますよ」
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