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「そうか」と竹山が言うと、向かいから笑い声が聞こえた。
「竹さんとは、あんまり喋らないんですね」
楽しそうな顔に、竹山は、少し迷った後で口を動かす。
「俺が、退院してからな」
「県警で一緒に働いてた時と、今は、関係が違うでしょ。僕が言う事じゃありませんけど、体だけの関係ならもっと相手を選んだ方が」
「……手も、握ってねえから!!」
途中で叫んだ竹山に、松波が、目を丸くする。
「竹さんが退院してから、毎日部屋に来てたんですよね。もしかして、事件のせいで、不能になったんですか?」
「そんなんじゃねえ!! ……それに、俺はダメだろ」
ぼそりと言い、竹山は気づく。
目の前の真剣な顔に。
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