第4話 カタメの世界

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※ 竹山達が、焼肉店を出て、北野坂でタクシーを拾った頃。 リリコとともに、杉田は複雑な気持ちで部屋を出た。 「……すぎっちさん!!」 振り向くと、隣の部屋から出て来た姿。 パジャマで、すっぴんな顔は、ステージの上と全然違う。 十七歳の、頼りない女の子だ。 「……ごめんなさい。……私、すぎっちさんを……」 すみれは、今にも泣きそうな顔をして杉田に近づく。 ……こんな顔をさせているのは、僕か。 伸びてきた腕に、すみれはびくりと肩を揺らす。 「もういいよ。……こっちこそ、ごめんね」 頭に置かれた手に、すみれが両目から水を零す。 「……もう、泣かんでええようにするから、ゆっくりしときや」
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