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リリコに返さず、車を動かした。
外に出ると、薄い紫に景色が染まっている。
隣から伸びてきた手が、無線のスィッチを入れた。
聞こえてくる、南港へ向かう警察官達の動向。
不謹慎だが、助かったなと、杉田は思った。
「杉田さんが見つけた携帯。メールの送受信、着信履歴が残っていましたが、うちに来る少し前、犯人が自供していたんです」
先日の様子を思い出し、「よく喋りましたね」と返す。
「柳下さんに、今日で、勾留が終わりだと嘘を吐いてもらったんです。そうしたら、全てを話してくれた様です。そんなに、『カタメ』は、怖い団体なんでしょうか」
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