第4話 カタメの世界

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隣を見ると、メガネ越しの両目が向いていた。 「すみれさんは、杉田さんに、とても感謝していましたよ」 ……やめてや。 喉の奥が痛くなり、杉田は前を向き、運転に集中した。 窓の外に、花火の様に光る観覧車が見え、高速を降りる。 海遊館と海を挟んだ倉庫街に着くと、警察の車が何台も停まっていた。 四角いコンテナが詰まれ、倉庫しかない場所は、いつもの暗く静かな様子ではない。 杉田とリリコが車を降りると、大きな声が聞こえた。 「遅せえ!! 何しとったんや!!」 「そちらも、まだ、到着して五分ほどですよね」 リリコはそう言って、柳下のすぐ傍、山上と田淵が乗っている車を見る。 「エリ…梅林寺が来るの、待ってたんやぞ!!」 「それは、すみません。始めましょうか」
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