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「冷静ではありません」
杉田の大きな声に、リリコが小さく返したとき。
大きな笑い声が倉庫に響いた。
ふたりが振り向くと、「何がおかしいんや!!」と柳下の怒鳴る声。
「無能な新米刑事が、動揺して、おもろいからや」
そう言って、『クマグロ水産』の社長は笑い続ける。
柳下に胸ぐらを掴まれても、止めない。
「新米だけじゃなくて、あんたらも無能や。警察は、馬鹿ばっかりやな」
拳を握った柳下を、田淵が後ろから抑える。
山上に膝をつかされた社長の前に、リリコは立つ。
「どうして、遺体をお持ちなんですか」
「遺体やない、『イシュタム』や。神様を、僕は持ってるんやで」
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