At Your Finale

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   午後五時を愛しんで too late  カラスが鳴かぬ間に影絵と消えた  詩人は節詠みに適わないとて  卑しく月に吠えながら  いつもあなたは静かに微笑んで  なにか読み取れない声を放った  日当たりの悪い空気を好んで  時が過ぎるのを待っていた  単純を知って気を散らしてばかり  弾けて薄らむまでの秒読みを  何にも抗わずに降下していたい  いつもあなたは静かに微笑んで  なにか聞こえない声を寄越した  日当たりの悪い空気を好んで  時が過ぎるのを待っていた  周期を把握しながら唇を舐めて  牽制しあう関係に消耗していた  思想を持たずに胸に秘めたものが  癒えていくサイクルだと揺らいでいた  惜しまずに流れる巡りを見ていて  開放を塞ぐのはあなただけだから
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