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艶やかで騒がしい街路。
其処らかしこに並ぶ商店。
魔族達の馬鹿笑いがそこらじゅうに響いている。
白いフード付きのローブを目深に被り仰々しいまでのリュックを背負い一人の黒髪の青年がトテトテと駆けていく。
「まっ、待って下さいよぉ…お嬢様……ちょっとは荷物持ちの事を気遣って下さいよぉ…もうクタクタで動けないですよぉ…。」
青年はしゃがみ込み肩で息をしている。
先を歩いていた赤色のウサギの耳の形のフードが付いたローブに白いフリルスカートの白髪の少女が怪訝そうな表情で振り返る。
「ルナ……前の村であんなに寝たのにまだ眠いの? 主人が働いていたのにぐぅすか夢の中に居たのは誰?…」少女はそう言いギロリと青年を見つめる。
青年はギクリとし しかし、座り込んで嘆きました。
「そうは言っても瑠璃お嬢様!…前の村からずっと飲まず食わずこの街まで歩いてきて もうダメです…僕は一歩たりとも動けません!ちょっとだけ休憩しましょ? ねッ?いいでしょう…?」
青年はねだる様にへたり込む。
瑠璃は、はぁとため息を一度つき無言で歩きだした。
ルナは慌てて言葉を繋ぐ。
「まっ、待って下さぁい瑠璃お嬢様ッ! ほら、あそこ!あそこのバーに行きましょうよぉ!何か情報が手に入るかも知れないですよぉ。」ルナの瞳はバーの立て札のステーキに首ったけになって涎を垂らしている。
瑠璃は一度深くため息をつき渋々バーの戸を開ける。
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