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静まり返った店内。
ルナのコツコツとゆうスパゲッティのすくう音のみが響く。
瑠璃は軽く済ませると。
マスターに徐に尋ねる。
「……すまないマスター。『魔王』について何かしらないか?」
店内に更なる静けさとゆうか空気が変わる。
BAR【黒蠍】の店主は拭いていたグラスをガシャリと落としワナワナと震えて泳いだ目で瑠璃を見、呟き口を開く。
「まっ……まさか。紅い瞳の少女に身の丈程の槍ッ……まっ、『魔槍』……先日『魔将』グレゴリア率いる魔軍を壊滅絶滅させた まっ、『魔槍』… ひッ…ヒィィ…!」店主は最早口の端に泡を吹き腰が抜けている。
「…そんなに怯えても何もしないよ。まぁ表で伸びてるおじさんみたいな余計な事言わなければね♪」
瑠璃は片肘をつきニタリと嗤う。
静まり返った店内は一瞬時が止まったかと思うと我先にと店外へと出る者が溢れかえった。
そこで、ちょうどスパゲッティを平らげたルナが顔をあげる。
「ふぅ、マスターさんこれ美味しかったですって……あれ? どうかしたんですかマスターさん?。」
カウンター内でシンクにもたれ掛かる様に白目を剥いて気絶しているマスターにルナが尋ねる。返事が無いただの尸…マスターのようだ。
ルナは周りを見、隣の瑠璃へと視線を移す。頭に手を当て虚ろな目をしている。
ルナは恐る恐る話しかける。
「あの…瑠璃様。もしかしたらもしかしてなんですが。
また例の事をそのまま言ったんですか?」
虚ろな目をした鬼…いや瑠璃が視線をゆらりと移す。
「…お代は要らないそうだ。良かったねルナ。」
そうくもぐもった声を吐き机に突っ伏した。
ルナは瑠璃の頭へとポンと手を置き。
「……瑠璃様、ドンマイ!」
次の瞬間
ルナは瑠璃の隣に居た男と同じく弧を描きながら扉を抜けてへたり込んだ男に重なる様に地に伏した。
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