第二章『魔影』

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首都シェイドティルト。 魔族から獣人様々な種族が暮らし。 ビルが立ち並び暗黒街により栄えた首都、いや最早小国と言えよう。 王は、首都の名前にもなっている八魔柱が一人『魔影』シェイド=ティルト=ガウス。王であってもその姿を知る者は無く闇に包まれている。彼が、侍衛する部隊は【鴉】と呼ばれ暗殺、抹殺、傍聴。隠密行動のエキスパート集団らしい。 と、ルナはこれまで自分が駆けずり回り集めた情報を鼻高々と瑠璃へと報告した。 「……ルナ。それで、結局わかったのは首都の名前の由来と『魔影』の配下のちょぴっとの情報だけと…良く其れで帰ってこれたね?」 表情だけは笑顔だが目が笑っていない。こめかみに青筋が立っている。 「あっ、はい。ちょっとお腹空いちゃいまして。☆」 ルナは態とらしく額をこつんと殴り舌を出す。 瑠璃は魔槍を大きく振りかぶる。 それを、ルナが土下座で躱す。 宿の床に深々と突き刺さり抉る。 「じょ、冗談ですって…ってか俺じゃなかったらそれ死んでますからね。」 ルナが冷や汗を出しながら土下座姿勢のまま紙を一枚手渡す。 「…おかしいな。殺す気で放ったんだけどな。まぁいいか。」 恐ろしい事をボソりと呟き瑠璃は紙を開く。
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