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が、次の瞬間『魔将』がぐらりと体制を崩した。黒馬が大地の割れ目に足を取られたのだ。
「なッ……何だと…ぐおッ
こ、こんな事が…貴様何をした?!」落馬した『魔将』は体制を立て直し構える。
「何って…瑠璃はなにもしてないよ? おじさんが勝手に掘って勝手に転んだんじゃん♪ おマヌケさんだね♪」
少女が手を叩き嘲り笑う。
「くッ…笑止!。されど戦況は変わらぬお前に逃げ場など無いおとなしく死ねッ!。」
『魔将』は剣を構え駆ける。
「それは、違うよおじさん♪逃げれないのは…おじさん貴方だよッ!!」
少女は己が槍を地面に突き刺した。すると亀裂が広がり『魔将』の後ろの大地が崩れ落ち離れ小島の様になった。
「なッ!?…何だと これは一体…き、貴様一体何をしたぁッ?!」
『魔将』の怒号が響く。
「簡単な事だよ♪ さっき地面に突き刺して置いたるりの魔槍で地面をちょっと刺激しただけ♪ここって土壌が脆いんだよねぇ♪それでぇ あっとゆう間におじさんと瑠璃の遊び場の完成だよ♪」
少女はにこにこと笑ながら歩み寄る。
『魔将』軍技に長け兵法、戦法に長けている自分がこの様な少女の罠にハマりあまつさえ遊びとゆう言葉を発するこの少女に恐怖した。脚が一歩たりとも動かず汗が止まらない。
「おじさんとは何して遊ぼっかなぁ♪ あっ、そうだ瑠璃が一番好きなやつやろうよ 色鬼♪ じゃあ瑠璃が鬼ね! いろいーろ なぁに色ッ!」
声と共に少女が消える。
「なッ…何処に?や、やつは何処に…んっ?」
不意に耳元で何かが聴こえた。
「……瑠璃色。」
そう冷たくまるで心まで凍りついてしまうような声が。
ふと自分の胸元をみるとぽっかりと鎧ごと心臓の部分に穴が空いていた。
「ひッ…ギャギアァ!…何だ、何だこれはぁあッ?!…余の心臓、心臓が無いいぃ…ヒィい……」
グレゴリアは怯えただ自分の大事な物を探した。
其れは、少し離れた少女の手の内にあった。グレゴリアは不様に地を這う芋虫のごとく自分の大事な物を見つけた喜びの表情をしながら這いずっていく。
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