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後、少し後少しで自分の大切な物が手に入るグレゴリアは手を伸ばした。しかし、少女はそれをひらりと躱す。
不様に地を這い蹲りながらグレゴリアは
「返せ…余の 心臓を返せぇえ!何だ何が望みだ?金か?名声か?それとも…。」命乞いをしようとしたグレゴリアの言葉を遮る様に
瑠璃は、拳に力を心臓に力を加える。
すると、グレゴリアが苦しみ出す。
「……それ以上余計な事を口にしたら潰す。…私の質問に大人しく答えろ『魔将』。」
先ほど間での幼さは消え失せ瑠璃は冷たく言い放つ。
グレゴリアはもがき苦しみながら頷いた。
「……貴様の知ってる限りの『魔王』の情報を言え。」
グレゴリアは黙し頷き話した。
「魔王は最近第替わりした。そんなに余は面識は無い。ただ聞いた話では、やつは元は『魔剣』と名乗っていたとゆう。前魔王とは互角に渡り合ったと…ぐッぐぉあぁ…」
瑠璃が拳に力を込める。
「…そんなことはいい。『魔王』……やつは何処に居る?」
冷たくさらに拳に力を加える。
グレゴリアはもがき苦しみ地を転げ回る。
拳の力を弱める。
「はッ…ぐっは……はっ。そ、それはわからん。余が久しく帰還した時はやつは居なかった行方なぞわからん。し、心臓を返せ早く。」
息も絶え絶えに答える。
「……どうやら本当に知らないみたいだな。其れではこれを返してやろう。」瑠璃は冷たく笑い手を広げ差し出した。
「あッ…余の心臓
余の……大事な心臓…。」
グレゴリアが受け取ろうと手を伸ばすが、しかし次の瞬間 瑠璃は狂気染みた笑みを浮かべ心臓を魔槍の筒へと収めカチりと閉め切る。
「なッ……余の…余の心臓…余の心臓がッ…ぐッ …ぐぁぁぁあ!」
グレゴリアは断末魔を上げ事切れたマリオネットのごとく地に伏した。
「ふぅ…少しこってりしてるね…『魔将』ご馳走様でした。……また遊ぼうねおじさん♪。」
瑠璃はにこりと笑い無惨に手を伸ばしたまま地を掻くように事切れた『魔将』だった者に手を振り荒野へと消えていくのだった。
to be continued
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