参 ――怨霊退治――

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「こんなのが幾ら怨霊化しても私が倒せるか」  床下の霊が茶々を入れ、実体のない愛らしい黒猫が居室を闊歩する。  穏やかな斎宮の昼下がり。  いつもと変わらぬようなその光景の中で、成子がただ一度、御簾の向こう、一点を見つめた。  まるで、あの神の影を追うように――。              了  
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