3 野望

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「なるほどなぁ。それで、貴様も大学で学んでいたのか」 「それでも理系の分野に女子は少なかったけどね。女は数字や空間把握が苦手らしい。私は嫌いじゃないけど」 「専門は何だ」 「情報科学とか数理モデルによる解析とか。つまり、このコンピュータってこと」 「まだこのコンピュータがどういうものか、見せてもらっていなかったが」 「そういやそうだった。私説明しながら寝ちゃったんだっけ」 ありゃぁ参ったね、と寛子はあっけからんと笑った。 「じゃ、説明するね。まず、これを開けて、で、この右上にあるボタンを押すと、電源が入ります」 「電源ということは、電気で動くのか」 「この本体の中にバッテリーが入っていて、ここに電気を蓄えておくの。さ、画面が明るくなりまして、OSが立ち上がりました」 「なんだこれは、まぶしいな。これは、このガラスのような板の内側から光が出ているのか」
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