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プアーー。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン。
けたたましい電車の音で景色は普通の電車のものに戻った。先程までいた女性はもういない。
私は矢っ張り眠っていたのか。
其れにしても奇妙だけど愉しい夢だったな。
「ねぇ聞いた? 電車、新しいダイヤルが出るらしいって」
向かいの席の主婦二人が何やら話している。
「そうなのよ。だからこの電車は廃線されるらしいみたい」
新しい電車が出るからこの電車が廃線に?
私が電車の中で見た不思議な風景は確かに走馬灯のようだ、
きっと、
幼い頃からこの電車に揺られて育った、旅好きの私を選んでくれたのだろう。
最後の見届け人として。
有り難う。
電車さん。
電車の走行音が幽かに有り難うと囁いたかのように聞こえた。
了。
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