第1話:猫の為に生きて

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2014年は私にとって激動の年で、夏の終わり頃からかつて無い程に衰弱し、荒れた。 幸せって知りながら絶望した年だった。 理由はここでは割愛する。 病院の薬が増えて、日数も増えて。 3日に1度、ひどいと毎日、赤い滴に存在価値を探しては見つからなくて。 泣くこともなく、ただ呆然として。 ただ純粋に眠りたい、目覚めたくない。 その気持ちだけで処方された薬以上を飲んでみたり。 書ける気力のある日はエンディングノートを書いてるのが楽しくて。 自由への切符を手にした気分だった。 とにかく年明けくらいまでは散々荒れた。 【2015年の春になったら猫が来るから。】 【環境が変わるから。】 【入院を視野に入れてください。】 あんなに楽しみにしてたのに、誰から何を言われても右から左で聞いちゃいない。 このまま目覚めなければイイ。 ちょっと長く生きすぎたくらいだし。 来年の春先に楽しみにしてた唯一さえ揺らいで…。 ただただ生きる意味と目標が見つからなかった。 泣いてたのか叫んでたのか呆然としてたのかすら分からないある日。 雷? テポドン? 級の衝撃が走る。 【猫の為に生きて】 ………は?
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