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「…おかーさん、部活って何時からでしたっけ?」
「9時よ。」
「え…really?」
「イエス。」
疾走。 開いた扉を閉めようとした瞬間、
「気をつけてねー、…ああ!! 流斗!自転車、今日お父さんが乗ってっちゃったから走って!」
「はあぁぁぁぁっ!? 何でそれをもっと早く言わねーんだよ!」
母親に向かって叫ぶと今頃発言した母。てへぺろポーズ。
思わずぶち切れそうになったがツッコんでる暇は無いと脳内で即判断して全力で駆け出す。頭をフル回転させ、最短ルートを考え出す。
これはまずい事になった、非常事態とはこの事か。今の時期に遅刻なんてしてたらレギュラーから外されかねない。間に合うのか?ヤベー…
「流斗!!」
三度目の角を曲がった時、後ろから不意に名前を呼ばれ、振り返る。
「っと、三木(ミキ)先輩!? はよざいまーす…」
「"はよざいまーす"じゃねーだろ!お前、何で走ってんの、チャリは!?」
「いや、今日親父が持ってったって事を寝過ごしたにも関わらず、家出る時に聞いて…手段が…」
俺の言った事に対し、額を押さえ、ため息をつく。
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