0人が本棚に入れています
本棚に追加
桐野姫子は、警察庁を目指した。
同時に、司法試験も目指した。
だから、大学院まで勉強するつもりでいた。
東大には、支配者がいた。
東藤明彦法学部教授といった。
彼は、学生に上に立つとはどういうことなのかを話して聞かせた。
だが、それは完全に下の人間を見下した話し方だった。
だが、一人の男が、東藤教授を論破してみせた。
その男の名を、三原純一といった。
その後、東藤教授は首になり、東大に新たな人事がされることになった。
世界をよく知る凄い人物が、東大にやってきた。
その教授の名を、新川啓二といった。
俺は、思った。確かこの人は、オックスフォード大学を首席卒業した、望さんや堺刑事局長の幼なじみだったはずだ。
確か清美が、そんなことを話してくれた。
そんな時、最悪な情報が入ってきた。
堺知子さんが、癌で入院し、あと三ヶ月の命という最悪な話しだった。
清美、お前はどうする?
おそらく、この東大の中にお前はいるはずだ。
俺に雄介に幸子・秀一・俊介・恵美・慶子は、すぐに病院に行った。
病室には、清美が知子さんについていた。
俺達七人は、驚いていた。
「清美!」
清美は笑顔で
「お母さん、良性のポリープだって。
医者が、見間違えたんだって。
ものが影になったりすると、そうなることもあるみたい」
全員ホットした。
俊介は
「まさか、変装しないで戻ってくるとはな」
「当たり前でしょ。お母さんの大事な時に、私がいないなんてあり得ない。
私の目的はあくまでも、理想を実現することにある。
お母さんを、ほうっておくことなんて私にはできない。
慶子、久しぶりだね」
慶子は涙を流しながら
「本当に久しぶりだね。
清美」
二人は、抱きしめあった。
「お祖父様は元気?」
「うん。清美に会いたがってるよ」
「ごめんね。お祖父様に伝えて。
必ず会いに行くって。
私の彼氏を、連れて行くってね。
お祖父様、心から喜んでくれると思う。
私が、頑張っていられるのは、お祖父様と出会えたからだって。
そう伝えてね」
最初のコメントを投稿しよう!