第1章

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清美は、髪を横におろしていて本当に可愛かった。 達也は、清美に聞いた。 「清美、キスしていい?」 清美は、同情ではなく達也の気持ちを受け止めたいと思い頷いた。 達也は、清美に近づきキスした。 達也は、照れたように 「清美、ありがとう。僕は、ファーストキスなんだ。 死ぬ前に、初めて好きになった人とキスできてよかった」 その日の夜、清美の前に意外な人が現れた。 それは、堺義弘側の両親だった。 母方の方は、すでに亡くなっているのだということを母だという人が言ってた。 この二人の、お祖父さんとお祖母さんは、本当に優しくて、手作りのおやつをもってきてくれた。 清美は、楽しい夜を過ごした。 しかし……。 達也が、この日の夜亡くなった。 清美は、泣き伏した。 知子は、清美を抱きしめながら涙を流した。 清美宛に、達也から一枚の手紙があった。 清美は、それを達也のお母さんからもらい そこには 清美、君がこれを読んでるということは、僕はこの世にはいません。 できればこの手紙は、君には読んでほしくないのが本音です。 警察庁刑事局長堺義弘の娘として、君が東京に行ってから死にたいからです。 そうすれば、君にとって僕のことは、すぐ風化する。 それなら、君が傷つく必要もないからね。 でも、君がここにいる間に僕が死んでしまったのなら、僕は君に言わなければならないことがあります。 清美、僕は君を初めて見た時から好きになった。 君のキラキラした目、人を疑うことを知らない純粋さ、僕の心を君はあっさり裸にしてしまった。 何故なら、僕の周りには汚れた人間しかいないからさ。 僕の父を筆頭にね。 利権のためなら、政治家に賄賂を払ってでも取引相手を増やす。 そして、公認会計士に圧力をかけて、こっちのいいように操ってしまう。 もし、会計士が逆らえば会計士としての商売が成り立たないように政治家を利用してしまうわけだ。 そして、ミイラ取りがミイラ取りになるというわけさ。 そして、中には自殺した公認会計士を僕は何人も知ってる。 だけど、僕が誰よりも尊敬してる公認会計士が昔いたんだ。
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