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知子は、もうすぐこの娘の二人目の弟と一人の妹が生まれてくるのだから。
「清美、神様はこう言ってるの。
命に代えられるものなど何もない、だからこそ命を大切にしなければならないんだって。
達也君の死は、清美にそれを教えてくれてるのよ」
そう言うと知子は、清美をもう一度、抱きしめてそして、頭を撫でた。
清美は聞いた。
「ねぇ?堺義弘さんと月島望ってどういう人なの?
どうして、再婚したの?」
記憶をもってる清美なら口がさけても言わない質問が、知子に六年の月日を経てやってきた。
そう考えると、清美がどれだけ私に気を使ってくれてたのかがわかる。
でも、今の清美は完全な純粋な子供だ。
思ったことを、そのまま質問してくる。
まったくこの娘は、どこまでできた娘だったんだろうと考えながら
「月島望・堺義弘はね。
達也君の、手紙にも書かれてたけど本当に素晴らしい二人よ。
お母さんと、この二人は幼なじみだったの。
二人そろって、日本警察の救世主と呼ばれた名探偵だった。
義弘は、警察官僚の道を選び次期警察庁長官の座が確定してるほどの人、望は公認会計士として経済界の救世主とすら言われた本物の会計士よ。
そして
、再婚したのはあなたの将来を考えたら、絶対に生きてく上で手本になるような父親が必要だと思ったから。
それと、幼なじみの義弘君なら、親子三人幸せになれるし、望も彼なら許してくれるって思ったからかな。
この世に二人といない、立派な二人だからね」
その後、清美は退院し、父が刑事局長になると同時に、東京の高校に編入した。
清美は、田沼剛三の家に向かった。
田沼剛三は、一目で記憶が戻ってることに気づいた。
「記憶が、戻ったようだな。
ワシに何のようかな?」
「裏世界の知る限りの情報を下さい。
アダムを叩き潰すために」
田沼剛三は豪快に笑いながら
「いいだろう。教えてやろう。
ただし、これから神戸に行ってもらう」
「神戸!?」
「そうだ。そこで君に会ってもらいたい人物がいる。
神戸を長年、牛耳ってきた男だ」
USBをもらった後、神戸に向かった。
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