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神戸の古い屋敷に、高倉米蔵という、長年神戸を牛耳っている男がいた。
私を見ると一目で
「堺清美か……。田沼剛三から、話しは聞いてる。
お前には、変装して緒形泰三という男を始末してもらいたい」
緒形泰三とは、裏世界でも有名な男で、高倉米蔵が死んだら、次の神戸の支配者は、奴であるといわれるほどの実力者である。
神戸は昔から、聖域のような場所としても、有名だった。
だから、汚れた人間に神戸を任せるわけにはいかなかったのだ。
清美は、高倉米蔵の玄孫である和美に変装して、緒形泰三のいるホテルに向かった。
奴は、VIPルームにいた。
私が入ると、拳銃をその瞬間、抜いて撃たれた。
私は辛うじてかわして、拳銃を抜いた。
「小娘、貴様、何者だ?」
「私は高倉和美よ」
「高倉米蔵の玄孫か……。
何故、この場所がわかった?」
「ちょっと調べたら、すぐにわかったわ。
裏世界のことが、わかっていたら簡単よ」
緒形泰三は、苦々しそうに私を見ていた。
私は、その瞬間を逃さず撃った。
奴も辛うじてかわしたが、私の計算通りのところに逃げて私は、待ち構えてたが如く撃った。
今度はかわす暇もなく、心臓を直撃
した。
「緒形、あなたに聞きたいことがある。
ダニエル・カルロスは、どこにいるの?」
「ワシにはわからん。ダニエル・カルロスを買ってる寺島幸夫に聞くんだな」
そう言って舌をかんで死んだ。
だが、収穫はあった。
寺島幸夫元首相が、あの暗殺者ダニエル・カルロスを買ってる張本人だということ。
私は、こいつがポケットの中に入れていたUSBを持ち帰った。
高倉米蔵は、私の報告を聞いて、USBをくれた。
「清美、よくやってくれた。
神戸での裏世界での戦いは、これで終わったわけじゃないが、後は残る味方で何とかできる。
東京に戻っても頑張ってくれたまえ」
これから起こる、神戸での大きな戦いを、別の人間に任せて、私は田沼剛三のところに戻った。
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