第1章

10/35
前へ
/35ページ
次へ
昨日体験したことで気付かされ、目が覚めたような気分になった。 このままではいけないことは分かっている。 が、どうすれば良いか。 何からはじめればいいのか自分でもよく分からない。 東京で自分は好き勝手生きて、母の日も誕生日もお祝いするらしたことがない。 ずっと無視してきたことに罪悪感があり、いま地元に帰ったところで和解できるかそれもまた不安。 というようなことを翔子さんに聞いてもらった。 翔子さんは、 「昨日のことがきっかけにしろ、親のこと思い出しただけで充分じゃん。 るりがそう思えたってことだけで100点だよ。 いきなり仲良し親子とは、そりゃ簡単にはいかないけど、帰って来て嬉しくない 親なんてどこにもいないよ。 何があっても、るりを生んでくれた親に変わりはないんだから。」 これだけで、私はもう満足だった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加