第1章

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私の気を引こうと、取り繕って、台詞みたいなカッコいい言葉を並べる人が過去にいた。 そうゆう人はなぜか見抜けてしまう。 なぜか? 薄っぺらくて、心に響かない。本心で言ってないから。 けど翔子さんは違う。 本心でぶつけてくれる。 それが説教じみてたり、自分の意見を押し付ける言葉ではなく、いつも相手を尊重してくれているのが分かる。 妹さんの死がきっかけで、何年も音信不通だった両親と連絡を取り合うようになり、いまでは定期的に実家に帰るようになった。 はじめは、長い間会っていなかったこともありお互いギクシャクしていたが、娘の手を借りないといけないようになってきた。 だんだん年老いてきた両親。 体の不調を訴えることもしばしば。 年を取り、運転に自信がなくなってきた両親の変わりに、翔子さんが車に乗せて病院に付き添ったりするという。
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