第1章

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仕事ではパソコンだし、字を書くことが元々苦手で筆不精だった私。 携帯やパソコンが普及し、字を書くことがめっきり少なくなってしまったが、ナナと手紙をやりとりするようになって、字を書くことの大切さを知った。 パソコンで打った機械的で無機質な文字と違い、字にはその人の気持ちが表れる。 ナナの手紙を読んで、字が乱れていたりすると、 「あー、今日は大分疲れたんだろうな。」 と相手を想像し、考えてみたりする。 逆に、字が跳ねたように見えるときは、何か嬉しいことがあったのかな。 ってこっちまで嬉しくなったりする。 文字の変化で、相手の顔を思い浮かべ想像することができる。 ナナとの文通で、手紙の価値を再認識させてもらった。 自分の母親に改まって手紙を書くなんて、はじめてのことだった。 無音の部屋で集中し、正座して手紙を書いた。
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