第1章

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面と向かっては言えない、言葉ではうまく伝えられなかった、これまでの思いを綴った。 そして、身勝手な振る舞いをしたことを詫びた。 地元に戻るつもりだが、突然一緒に暮らし始めるのは難しい。 何年間も会っていなかったし、最初からうまくいくとは思えない。 会っていない間に、確立されたリズムがお互いにあるし、時期を見て判断することにした。 地元に帰ったら、近くに家を借りるつもりでいることを書いた。 何度も何度も書き直し、気持ちを込めてようやく手紙を書き上げた。 思いが伝わることを願いながら、近所のポストに投函した。 連休明け、前日手紙を書いて頭を使ったせいか熟睡できて、普段より早く目が覚めた。 身支度をしながら、自分の気持ちを再度確かめる。 職場では私の代わりはいくらでもいる。 けど、子供の代わりは誰にもできない。 親の面倒をみるのは私しかいない。 私の決意は固まった。
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