第1章

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上司は予想外の話しに、ちょっと驚いている様子だった。 自分でいうのも何だが、会社では真面目だけが取り柄。 これまで入社してから止むを得ず病欠で数日休んだだけで、欠勤はほとんどない。 学歴がない分、即戦力になる人材ではないと自分で分かっていた。 なので、期末などの多忙な時期は残業を惜しまず、稀に休日出勤もした。 着実に仕事を覚え、社内で必要な資格を取得した。 毎年行われる社長と上司の面接では、厳しいことを言われたことがない。 それなりの評価を頂いて、給与と賞与にきちんと反映されていた。 上司からしたら、寝耳に水といったところだろう。 会社に不満は一切ない。 むしろ、こんな学歴がなくキャリアもない私を拾ってくれてさらには育ててくれて、本当に感謝している。
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