第1章

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夏風邪を引いたときは、両手に袋一杯ポカリやユンケル、沢山の食料を買ってお見舞いに来てくれた。 玄関で一言だけ言って、私に気を遣わせまいとすぐ帰って行った。 未熟でまだ子供だった私。 人を信用できず、心を閉ざしていた。 身も心もガチガチな私に救いの手を差し伸べ、本物の愛情と優しさを与えてくれた。 こうして私が今まともに生きていられるのも、翔子さんのおかげだと言っても過言ではない。 別れを想像するだけで、込み上げてくる。 目を閉じて、ゆっくり頭の中で話したいことを整理した。
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