第1章

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外が寒かったのでお湯割りで乾杯して、女将さんと翔子さんの会話を微笑ましく聞いていた。 翔子さんが上京した時に、はじめての同伴でお客さんに連れてこられて十数年のお付き合いになるそうだ。 ダリヤがオープンした時に、このお店から素敵なお花が届いていた。 お上品な女将さんが選びそうなセンスの良いお花だった。 食べる前に出された料理を見て、わかった。 翔子さんがダリヤで出す料理は、ここの女将さんが作る料理を参考にしていたんだ。 見栄えの良い、けどそれだけでなくもちろん美味しくて、また食べたくなる味。 十数年経っても、馴れ合いになるのではなく、奢らず、年上の方を敬い丁寧に会話する。 定期的に訪れて関係を継続していく、翔子さんには見習う部分が沢山ある。
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