第1章

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頭の中で話す内容を整理してきたつもりなのに、なかなかスムーズに言葉が出てこない。 翔子さんは私が話したくなるまで、待ってくれていた。 焦らせず、急かすことなく、自分のタイミングで話せるまでただゆっくりと。 唐突に本題に切り出すのもなんか違うと感じ、きっかけとなった2丁目で霊感の子がいるお店での出来事を翔子さんに話した。 大げさなリアクションなどせず、翔子さんは静かに頷きながら、けどしっかりと私の話を聞いてくれた。 いままで目を背けて、直視できずにいた母親のこと。 絶縁状態で何年も会ってないけど、この親子関係で母が死んでしまったらと考えると不安と恐怖で押し潰されそうになる。
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