王道転校生が来たので学校辞めたい

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『やだー!きもい!』 『千早先生に触らないでよ汚らわしい!』 『千早先生早くそのマリモから離れて下さい!汚染されちゃう!』 まさに言いたい放題。しかしモジャモジャはそんな罵詈雑言を全く意に介すことなく、千早先生が自己紹介をするように促すと笑顔で教壇の前に立った。 「狭山 水瀬だ!皆これからよろしくな!」 『誰がよろしくするか!』 『バーカ!アーホ!チービ!』 「誰だ今チビって言ったの!チビじゃねえし!」 ……どうやら身長にコンプレックスがあるらしい。というか一応聞こえてたんだな。アホ特有の、都合の悪いことは全て聞こえない症状かと思ってた。 「席は……夜霧の後ろだ」 蓮が小さな悲鳴を上げる。俺も思わず椅子からズッコケそうになった。 すまんな夜霧、と先生が目で訴えてくる。いいえ、絶対許しません。こんな面倒の塊みたいなのを押し付けてくれやがって。 「夜霧って誰だ!?」 「……ハァ。モ…転校生、俺。早く来い」 キョロキョロと辺りを見渡すモジャモジャに手を振って教えてやる。それを見たクラスメイトがまた騒ぎ出したが、軽く睨み付けるとすぐに治まった。 モジャモジャがトテトテと俺の席まで歩いてくる。窓際で後ろの席の為、全員の視線が俺達に集中していることが分かってすごく面倒臭い。 「お前が夜霧か!下の名前は?」 「柳。下の名前では呼ぶな」 「柳か!よろしくな!」 人の話を聞け。
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