王道転校生が来たので学校辞めたい

14/23
前へ
/138ページ
次へ
「あーもう分かった!」 「一緒に食べてくれるのか!?」 「好きにしろ!」 狗鳴君が怖すぎるので早々に折れてやることにする。俺、無駄な争いは好みません。 な の に 。 「テメェ水瀬と一緒に飯を食べるたぁいい根性してるじゃねえか、アァ!?」 血の気の多い狗鳴君は何としてでも俺を殴りたいらしい。あぁ……ならいいよな?流石の俺もキレていいよなァ!? 怒りに任せて怒鳴ろうとしたその時。 「こら綾!仲良くしなきゃダメだろ!」 「綾君ストーップ。水瀬が困ってるでしょ」 「柳も止まれwwww ここでキレたらまた面倒臭いことになるだろうがwwwwww」 狗鳴君は風宮君に、俺は蓮に羽交い締めにされ、俺は強制的に狗鳴君から引き離された。 未だに頭が沸騰している俺に向かって、蓮が小さな声で諭してくる。 「柳、落ち着けっての。全員の視線が俺達に向いてる。それにもうすぐ生徒会が来る時間だ。ここで騒ぎを起こすのはまずい」 ハッとして周囲を見渡すと、食堂にいた生徒達が何事かというように俺達を見ていた。頭に上っていた血が一気に引いていく。 「頭は冷えた?」 「ああ、おかげさまでな」 その言葉に蓮は満足したように笑うと、スッと俺を拘束していた手を解き離れた。 あちら側もなんとか落ち着いたようで、睨んでは来るものの特に突っかかってくるようなことは無かった。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1725人が本棚に入れています
本棚に追加