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「あーもう分かった!」
「一緒に食べてくれるのか!?」
「好きにしろ!」
狗鳴君が怖すぎるので早々に折れてやることにする。俺、無駄な争いは好みません。
な の に 。
「テメェ水瀬と一緒に飯を食べるたぁいい根性してるじゃねえか、アァ!?」
血の気の多い狗鳴君は何としてでも俺を殴りたいらしい。あぁ……ならいいよな?流石の俺もキレていいよなァ!?
怒りに任せて怒鳴ろうとしたその時。
「こら綾!仲良くしなきゃダメだろ!」
「綾君ストーップ。水瀬が困ってるでしょ」
「柳も止まれwwww ここでキレたらまた面倒臭いことになるだろうがwwwwww」
狗鳴君は風宮君に、俺は蓮に羽交い締めにされ、俺は強制的に狗鳴君から引き離された。
未だに頭が沸騰している俺に向かって、蓮が小さな声で諭してくる。
「柳、落ち着けっての。全員の視線が俺達に向いてる。それにもうすぐ生徒会が来る時間だ。ここで騒ぎを起こすのはまずい」
ハッとして周囲を見渡すと、食堂にいた生徒達が何事かというように俺達を見ていた。頭に上っていた血が一気に引いていく。
「頭は冷えた?」
「ああ、おかげさまでな」
その言葉に蓮は満足したように笑うと、スッと俺を拘束していた手を解き離れた。
あちら側もなんとか落ち着いたようで、睨んでは来るものの特に突っかかってくるようなことは無かった。
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