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「はぁ~、仕方ないなぁ。副会長がかいちょー運んでね」
「なっ!私に押し付ける気ですか優!?」
笑顔で肉体労働を言い渡す会計。確か会計は副会長より一学年下の筈だが……生徒会内に上下関係というものは存在していないらしい。
「だってぇ、俺かいちょーなんか持ちたくないし~」
「私だって持ちたくありません!こんな汚物!」
まさかの会長を汚物呼ばわり。仲悪いにもほどがあるだろあの二人。
「な、ならば睦月は……」
「会長…重、い……パス」
「僕達はー」
「ちっちゃいからー」
「「そんなデカイの運べなーい」」
全員に断られ、ガックリと項垂れる副会長。やがて諦めたように息を吐くと、嫌そうに顔を顰めて会長を担ぎ上げた。
「覚えてなさい……」
「「忘れたー!」」
「煩いです!では水瀬、また明日」
最後に疲れ切ったような笑みをモジャモジャに向けると、副会長は会長を担ぎながら生徒会メンバーを連れて二階へと上がっていった。
二階は生徒会専用スペースとなっている為、一般生徒は立ち入ることができない。モジャモジャもそこは分かっていたのか、着いて行くようなことはしなかった。
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