王道転校生が来たので学校辞めたい

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「嵐が去った……」 ヘニャリとテーブルに突っ伏す。と、同時にポケットに入れた携帯が震えた。何かと思い見てみると、そこには蓮からの新着メール表示が一件。 メールの内容はただ簡潔に、 【周りを見ろ】 とだけ書かれてあった。 「あ?」 のっそりと顔を上げ、ぐるりと周囲を見渡す。瞬間、メールの意味を悟った。あぁ……そういうことか。 『夜霧様……実は会長様の事が好きだったんですか?』 『夜霧様がヤンデレだったなんて……僕知らなかった!』 『うぅ、夜霧様が恋敵なんて……僕に勝ち目なんてないじゃないかぁ……』 『夜霧様!会長より俺のことを愛して下さい!俺なら夜霧様の愛を受け止められます!』 騒然となる食堂。 そりゃそうだよな。今まで自分が慕っていた相手が実は会長好きでヤンデレだなんて知ったら、誰だって驚くわ。 「柳君が……」 「ヤンデレ……」 「ケッ、やっぱりロクでもねぇ奴じゃねえか」 風宮君とモジャモジャが、呆然とした顔で俺のことを見ている。狗鳴君はいつも通りだけど。 「……逃げるか」 いつまでもこんな騒がしい空間にいてられない。しかもその話題の中心が俺だなんて。 俺は未だ呆然としているモジャモジャと風宮君(ついでに狗鳴君)に小さく手を振ると、降りかかる視線を全て無視して食堂を出た。
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