王道転校生が来たので学校辞めたい

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廊下に出ると、廊下の端にある昇降口から蓮が手を振っているのが見えた。メールを送った後すぐに、ちゃっかり避難していたらしい。ずる賢い奴め。 「おかえり」 「ただいま……と言いたいところだけど、お前、あの結果になるって知ってたな?」 「当たり前だろ。それぐらい予想できなくて腐男子を名乗れるかwwwwww」 そう言ってケラケラと笑う蓮の頭に反省という文字はないらしい。実際会長の気を逸らす結果にはなってるので、俺も深くは怒れないのだが。 「で?」 「で?とは?」 「だから、この作戦に決めた理由だよ。お前のことだからどうせ他にも作戦はあったんだろ?」 BLとはいえ、様々な書物を読んできた者は自然と想像力が豊かになる。 更に言えば、今回の出来事は王道学園で起こったこと。生徒会長の特性を熟知している蓮にとって、先程の危機を脱する程度の作戦を立てることは、サイコロの目を数えるより容易であるはずなのだ。 「勿論あったよww でも他の作戦はこれ以上に大きなリスクを伴うものばかりだったし、今後会長が柳に迂闊に近づけなくなるような方法といったらアレぐらいしか思いつかなかったんだよ」 「会長が俺に近づけなくなるような方法?」 言葉を反復する俺に、蓮はこくりと頷いた。
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