ヤンデレ疑惑が浮上したので学校辞めたい

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「つーわけで、今日来たよ転校生」 『うっひゃああああああああああ!!と喜びたいところだけど、どうやら王道通りにはいってないみたいね』 「今絶対素で喜んでただろ」 モジャモジャが来たその夜。 俺は約束通り、母さんに電話で転校生が来たことを報告した。話を聞き終えた母さんは一通り発狂した後、難しそうに『うーん』と唸った。 『王道通りなら、学食では会長と転校生がキスするところよ』 うげぇ……副会長とのキス(頬チュー)だけでも気持ち悪かったのに、そのまま王道で行けば、会長ともキスする予定だったのかアイツ。 『でも現実は、転校生じゃなく近くにいた柳が気に入られたんでしょ?』 「蓮のおかげで逃げ出せたけどな」 『うーん……今まであんたにホモになることを勧めていたけど、実際息子に火の粉が降りかかってみるとなると、ちょっと複雑だわ』 そうだろう?そう思うなら今すぐ転校させてくれ。そうすれば万事解決だ。 『柳は元々報告要員として送り込んだだけで、生徒会や転校生と接触させるつもりはなかったんだけど……あんた、顔は良いものね』 「なんだその顔だけが取り柄みたいな言い方は。頭もそれなりには良いぞ」 これでも一応学年首席だ。 『まあとにかく、これからは気を付けなさい』 「……どういうこと?」 唐突な俺の身を案じる言葉に、片眉をピクリと上げる。本を読みながら通話しているらしく、電話の向こうでパラパラと紙の捲れる音が聞こえた。 『目的はどうあれ、今回あんたがやったことは、自分がホモということを肯定したことには変わりないわ。それもヤンデレという性癖付きで』 「つまり?」 母さんがニヤリと笑ったのが、電話越しでも分かった。 『新しいファンが増えるかもしれないってことよ』
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