母に騙されたので学校辞めたい

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「先生、俺の金銭感覚がおかしいんですかね?」 「俺は正義の味方だ。正悪はつけない」 「正義の味方って言ってる時点で正悪つけてるじゃないですか」 「ハッ……!」 何今気づいたみたいな顔してるんだよ。こんなのが生徒教えてて大丈夫なのか、おい。 「千早先生って結構馬鹿だよなww 攻めに見えて実は受けなの?」 「生徒相手なら大人のプライドで攻めがいいな。特に秋内相手なら絶対に攻め」 「俺は攻略対象外。襲うなら柳にしてくれwww」 蓮は男同士のイチャイチャを見るのが好きだけど、蓮自身は男などに一切興味はない。普通に女の子が好きなノンケだ。 だから自分が狙われていると察知した時には迷わず俺を盾にするし、襲われそうになった時は俺を置いて全力で逃げ出す。そう……今みたいにな。 「夜霧は俺に襲われたい?」 「んなわけないでしょうが。寝言は寝て言え」 「うはww テラ辛辣wwww」 当たり前だ。ここではっきり否定しておかないと、あとで痛い目を見るかもしれない。 特に俺らの担任である千早 輝(チハヤ ヒカル)はガチホモだ。本当に生徒に手を出している様子はないが、最初のうちは警戒するに越したことはない。 ーーーーーーキーンコーン… 「ん、鳴ったな。お前ら席に着けー」 そんなことをやっているとチャイムが鳴った。千早先生に言われ席に座ると、すぐに出欠を取り始めた。 ここからはいつも通りの授業が始まる。 一応進学校の為授業は早くて少し難しいけれど、それでも高一の範囲。少し見方を変えれば呑み込むのは簡単だ。 「……一時間目は現国か」 壁に貼られた時間割を確認した俺は、いそいそと現国の用意を始めた。
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