母に騙されたので学校辞めたい

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ーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーー 四時間の授業を終え、待望のお昼タイムがやって来た。 「ふぃー、つっかれましたなぁ」 「蓮は四時間目寝てただろ」 「あ、バレてた?wwww」 「お前の後ろの席なんだから嫌でも分かるよ。くっそ……俺も寝たかったのに」 そんな言葉を交わし合いながら廊下を歩いていると、あっという間に食堂に着いてしまった。 「あー……開けるぞ?」 「あいよーww」 蓮が頷いたのを確認してから、ガラリと食堂に続く扉を開ける。瞬間、食堂に割れんばかりの歓声が巻き起こった。 『キャアアアアアアア!!夜霧様ぁぁぁぁぁ!!』 『秋内様だ!今日も一段とカッコイイなぁ…』 『夜霧様、今日も蜜柑をお持ちになってるね!お好きなのかな?今度差し入れしてみよっかなぁ』 『秋内様はまたおうどんをお食べになるのかな?キャッ、秋内様と目が合っちゃった!』 ……うるせぇ。 「相変わらずの煩さだな」 「ほら、俺達イケメンだからwww」 蓮は言わずもがな、俺もこの学園では何故かイケメンに分類される。 その為、毎回食堂に行く度に小さくて女々しい男子(チワワと呼ぶらしい)に黄色い声を上げられているのだ。 「おい柳、今度チワワが蜜柑差し入れてくれるってよwww」 「今持ってる分で十分。蓮は今日もおうどんを食べるわけ?」 「もちwww 今日はキツネうどんの気分だ」 チワワの歓声を一切無視し、券売機に並ぶ。蓮曰く、これも王道学園で起こる萌えイベントの一つらしいが俺にとってはただ煩いだけだ。 ちなみに、ああいうチワワのことを世間一般では可愛い系男子と言うらしいが、俺には一切分からん。
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